南方に分布している魚が黒潮に乗って本州にまで流れてくる死滅回遊について紹介していきます!
一言で言うと暖流に乗って北上した魚が寒い季節になった際に下がる水温に耐えられずに死んでしまう回遊の事です。(水温の低下に耐えられずに死んでしまう事から死滅回遊という名称が付いています。)
この記事では死滅回遊について少し詳しく説明していきます!!
夏場になると水族館でも死滅回遊に関する展示を行っている施設も多くあるので、是非探してみてください!
死滅回遊とは???
死滅回遊とは通常の回遊とは異なり、回遊する習性を持たない魚が潮の流れに乗って大きく場所を移動する事によって発生します。
日本では、夏場に南方の魚が黒潮に乗って本来の分布域ではない本州で見られるようになります。
しかし、夏が終わり水温が下がると南方の魚が生存できる環境ではなくなるため、冬になると南方から本州側に流された魚は死んでしまいます。
回遊の習性を持つ魚であれば、自分に適した水温の海域へ回遊することができますが、潮に流されてきた魚はそのような習性がないため、生存する事が出来ません。
この回遊は繁殖に寄与しない事から「無効分散」と呼ばれる事もあります。
近年は温暖化の影響のためか流された先の海域で定着する場合もあるようです。
ニュースでも本来の生息域ではない海域で見られる魚種が見つかったと報道される事もあります!
夏場になると本来、本種では見られない南方の魚が見られるようになるため、磯場などで採集する人もいます!!
スズメダイやチョウチョウウオ、クマノミなど観賞魚として人気の高い魚を含め、様々な種類の魚が死滅回遊を行います。(死滅回遊を行うのは稚魚がほとんどです。)
南方に生息している大型のアジの仲間であるロウニンアジの仲間の幼魚、通称「メッキ」は釣り人のターゲットとしても人気があります!
死滅回遊を行う魚の例
死滅回遊を行う魚としてはチョウチョウウオの仲間、スズメダイの仲間、ロウニンアジの仲間(メッキ)などが有名です。
この他にもハリセンボンや小型のフグの仲間、ニザダイ科の魚などが死滅回遊を行います。
サンゴ礁に生息している綺麗な魚と言えばチョウチョウウオの仲間をイメージされる方も多いと思います!
本州で見られるのは数cmの小型の個体が個体がほとんどです。
観賞魚としても人気の高い、クマノミやサザナミヤッコも見ることも死滅回遊を行い、本州で見られる事があります。
死滅回遊を行う魚の中で、釣りのターゲットとなるのがギンガメアジの幼魚を総称した「メッキ」と呼ばれる魚達です。
関東では夏~冬にかけて釣る事ができ、死滅回遊を行うのは小型個体ですが、力強いファイトから釣りの対象魚として人気のある魚です。
温排水がある河川などでは冬を超える個体がいる事もあるようです。
地域によって差がありますが、近くの磯や波止場などでも見られるかもしれませんので、興味がある方は是非調べてみてください!!
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。
黒潮とは??
黒潮は東シナ海を北上し、トカラ海峡から太平洋に入ってき、房総半島沖で東に流れる海流です。
南方から本州の太平洋沿岸に向けて流れているため、南方の魚が流れに乗って本州まで姿を見せます