東山動物園は北園にある施設で、世界中のメダカや日本淡水魚、カダヤシの仲間を展示しています。
ここでしか見られないような種類も多く展示されており、魚が好きな方には非常にオススメの施設となっています。
目次
東山動物園の世界のメダカ館について
東山動物園の世界のメダカ館は名前の通り、世界中のメダカを展示している施設です。
私が訪れたのは2020年10月ですが、2021年3月にリニューアルオープンしているため、現在の展示とは少し異なる部分もあります。
建物の入り口は上の写真のようになっており、位置としては自然動物館とアメリカゾーンの中間地点にあります。
建物自体はあまり大きくありませんが、設置されている水槽が小型の水槽が多く、設置されている水槽の数が多いので展示ボリュームは小規模の水族館よりも満足できます。
建物内は大きく分けると「世界のメダカ」、「日本淡水魚」、「」
上の写真は建物に入ってすぐの位置から撮影したもので、建物の1階は世界中のメダカと東山動物園の現地での調査や世界中のメダカに関する詳しい資料が掲示されています。
写真では見えていませんが、奥の方にも水槽が設置されています。
2021年3月のリニューアルでメダカの展示ゾーンが増えたようで、2階の一部でもメダカを展示しているコーナーがあるようです。(現在確認されているメダカ科37種のうち31種類を飼育しています。)
展示されているメダカのほとんどが他の水族館・動物園で飼育されていない種類となっています。
上の写真は日本の淡水魚が展示されているエリアで、通路の両側に水槽が並んでいます。
ここではアユやウグイ、オイカワ、カワムツなど普通に見られる種類からアユモドキ、ミヤコタナゴなど国の天然記念物にも指定されている希少な種類も展示されています。
繁殖期には綺麗な婚姻色になる種類も多いので、時期によっては派手な見た目をしています。
上の写真はカダヤシの仲間を展示されているエリアで、カダヤシの仲間だけで100種類近くが展示されています。
上の写真のように小さな水槽の中に1種類ごとに展示されていますが、綺麗な種類が多くオススメの展示となっています。
世界のメダカ館で展示されている種類の紹介
世界のメダカ館では200種類近くの生物が展示されていますが、ここから個人的にオススメの種類を紹介していきます。
展示されている種類のほとんどが東山動物園でしか見られないので、ゆっくり観察するのがオススメです。
世界のメダカ館に展示されているメダカの紹介
メダカ科の種類は東南アジアを中心に37種類が確認されており、東山動物園では31種類が展示されています。
ここでしか見られないような種類も多く、現地での資料も掲示されています。
上の写真はドピンドピンメダカという2018年に新種認定された種類で、2013年にインドネシアのスラウェシ島で採取された個体を飼育・繁殖していました。
1階ではドピンドピンメダカの現地での採集の写真や飼育や外見の特徴など多くの資料を見ることができます。
上の写真はティウメダカという種類で、こちらは東山動物園の職員がスラウェシ島で採取して飼育していました。
最大でも3cm程度の小さな種類で、オスの個体は尾鰭の端が橙色になり、繁殖期になると全身が黒色になるという変わった生態をしています。
上の写真はサラシノルムメダカという種類で、世界最大のメダカです。(約8cm程度に成長します。)
展示されている多くの種類が日本で見られるメダカと同じようなシルエットをしていますが、この種類は細長い体型をしており、メダカとは大きく異なります。
写真のようにお腹に卵を付けている個体も多く見られ、日本のメダカを含む多くの種類が水草に卵を産卵するのですが、サラシノルムメダカは卵が孵化するまでお腹にくっつけて保護します。
今回紹介した種類以外にも多くのメダカが展示されており、多くの種類が4~5cm程度で姿も似ていますが、外見の特徴も掲示されているので見比べて比較することができる展示となっています。
世界のメダカ館に展示されている日本淡水魚の紹介
日本の淡水魚を展示しているエリアでは身近に見られる種類から天然記念物に指定されている種類まで様々な種類が展示されています。
上の写真はイタセンパラというタナゴの仲間で、濃尾平野、大阪平野、富山平野の限られた水系にのみ生息しています。
環境の破壊や乱獲によって野生の個体数は激減して絶滅寸前となっています。(現在は国の天然記念物に指定されています。)
イタセンパラは秋の発情期にはオスが婚姻色を発し、下腹部と尻鰭が黒色になります。
上の写真はアユモドキというドジョウの仲間で、泳いでいる姿がアユに似ている事が名前の由来となっています。
多くの水系で絶滅したと考えられており、1977年に国の天然記念物に指定されています。
上の写真はオイカワという種類で、日本に広く生息しており、身近な川魚の1種です。
写真を撮影したのが10月だったので色が薄くなっていますが、繁殖期の5~8月には綺麗な婚姻色の個体が見られると思います。
今回紹介した種類の他にトビハゼ、ボラ、ニホンウナギ、カワヒガイ、ボウズハゼ、ヤリタナゴなど多くの種類が展示されています。
世界のメダカ館に展示されているカダヤシの展示
世界のメダカ館という名称ですが、最も多く展示されているカダヤシの仲間で、カラフルで派手な種類が多く飼育されています。
珍しい種類も多いですが、今回は派手な種類を中心に紹介していきます。
名前が複雑な種類が多いのは学名をそのまま読んでいるためです…
上の写真の橙色の魚はアフィオセミオン オーストラーレという種類で、ガボンやコンゴに分布している種類です。
派手な橙色の体色をしていますが、品種改良を行った訳ではなく、野生個体も同じ体色をしています。
派手な体色から卵生メダカの中でも人気の高い種類です。
上の写真はフンデュロパンチャクス ガードネリー(ミサジー)という種類で、他の卵生メダカと同じで、同じ種類でも生息地によって模様や色が大きく異なる事も知られています。
卵生メダカの中では有名・人気な種類で、アフィオセミオン ガードネリーと呼ばれる事もあります。
上の写真はノトブランキウス ギュンテリという種類で、こちらも日本では比較的多く流通している種類です。(数タイプがり、上の写真の個体はレッドと呼ばれるタイプです。)
日本に輸入されてからの歴史も長く、飼育の難易度も低いとされています。
卵生メダカには年魚と非年魚に分けられ、年魚とは寿命が1年の種類で、雨期に孵化し乾季の前に産卵し、乾季の間は卵で過ごす種類です。
上の写真はベロネソックス(展示名:ベロネソックス ベリザヌス)というカダヤシの中では珍しい肉食の種類です。
最大で20cm程度にもなるカダヤシの中でも最大級の種類で、強面な面構えをしています。(メスの方が大きくなるようです。)
観賞魚として飼育される事もあり、飼育自体は難しくないようです。(今回紹介した他のカダヤシ目の種類は卵生ですが、本種は胎生です。)
体色は派手ではありませんが、大型で迫力のある種類なのでオススメです。
カダヤシの仲間は90種類以上が展示されている今回紹介した種類以外にもオススメの種類が多くいます。
綺麗で面白い種類が多いので、東山動物園を訪れた際は是非世界のメダカ館をゆっくり観察していただきたいです!
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。