スッポンは古くから食用としても利用されている日本在来のスッポンの仲間で、現在でも高級食材として扱われています。
日本国内でも元から分布していた在来の個体群と海外から持ち込まれた個体群がいるとされています。
アジア圏に広く分布していますが、日本と中国に生息する個体群をそれぞれ亜種とする説もあります。(Pelodiscus sinensis japonicus)
スッポンについて!
スッポンは甲羅長40cm近くにまで成長するカメ目スッポン科キョクトウスッポン属のカメです。
スッポンは平たい体型をしており、甲羅は柔らかいです。
甲羅が柔らかく軽いためか、イシガメやクサガメなど他の日本で見らるカメに比べても俊敏に動くことができます。
スッポンは顎の力が強く、噛みついたら離さないと言われていますが、水に漬けるか噛まれたものを動かさないと離すようです。
スッポンはイシガメやクサガメと比べても水中生活に特化した形状をしており、上の写真のように指と指の間の水かきも発達しています。
長い首をしており、首を伸ばして水上に出す事で、水中から出る事なく呼吸を行う事ができます。 (喉の毛細血管が非常に発達しており、水中からもある程度の酸素を取り入れる事ができます。)
食性は肉食の強い雑食で甲殻類、昆虫、小型の魚類、貝類を中心に水草等も捕食しています。
和名 | スッポン |
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学名 | Pelodiscus sinensis |
英名 | soft-shelled turtle |
目 | カメ目(Testudines) |
科 | スッポン科(Trionychidae) |
属 | キョクトウスッポン属(Pelodiscus) |
分布 |
日本、中国、台湾、韓国、 ロシア南東部、東南アジア |
生息環境 |
湖沼 |
スッポンは 日本、中国、台湾、韓国、ロシア南東部、東南アジアの一部など花広く分布しており、日本と中国の個体群を亜種とする説もあります。
在来種ですが、一部地域では中国から移入された個体群がいるとされています。(南西諸島の個体群)
古くから食用として利用されており、縄文時代の遺跡からスッポンが出土しています。
「月とすっぽん」という諺もあり、これはスッポンの甲羅が月と同じで丸い形をしている事が由来になっています。(優れたものと劣ったものを比較する際に使われます。)
現在では滋養強壮の食材とされており、良い出汁が出る事から鍋で食べられる事が多いです。
乾燥させた甲羅を粉末にした物を栄養ドリンクや健康食品に加工する事も多いです。
天然の個体が減少しているため、流通しているスッポンの多くが養殖個体となっています。
養殖の個体が出荷サイズの1kg前後に成長するまで、育て方にもよりますが2~4年程度かかります。(加温して冬眠させずに養殖した場合は1年半~2年、自然と同じように冬眠させながら育てると3~4年かかると言われています。)
スッポンの養殖個体の生産量が最も多い県が静岡県で、大分県、長崎県と1位の静岡以降は九州の県がランクインしています。
スッポンを展示している水族館!
情報は記載当時のJAZAや水槽の情報です。(2020年5月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
スッポンを展示しているJAZA加入の施設は30ヵ所となっています。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
スッポンと しながわ水族館
しながわ水族館では世界の大河からエリアにてスッポンを展示しています。(2020年3月時点)
しながわ水族館では小さな水槽の中でスッポンを展示しています。
スッポンは個別の水槽の中で展示されており、向かい側ではアロワナやレッドテールキャット、タイガーシャベルノーズ、フラミンゴシクリッド、ガーなど大型の熱帯魚が展示されている大型水槽が設置されています。
スッポンと東山動物園
東山動物園では自然動物館の2Fでスッポンを展示しています。
広い水槽の中でスッポンだけが展示されており、活発に泳ぐ姿を見ることができました。
東山動物園の自然動物館では1Fでは夜行性の動物を展示しており、2Fでは爬虫類・両生類を展示しています。
2Fの爬虫類・両生類の展示が充実しており、ナイルワニやミシシッピーワニ、オオアナコンダなど大型の種類も見ることができます。
スッポンを展示している水族館の一覧
スッポンを展示しているJAZA加入の施設は30ヵ所となっています。
千歳水族館 | かみね動物園 | 上野動物園 |
井の頭文化園 | 羽村市動物公園 | 野毛山動物園 |
なかがわ水遊園 | 鴨川シーワールド | さいたま水族館 |
しながわ水族館 | 富山ファミリーパーク | いしかわ動物園 |
富士サファリ | 日本平動物園 | 東山動物園 |
新潟市水族館 | 寺泊水族博物館 | 富士水族館 |
碧南水族館 | 京都動物園 | 姫路セントラルパーク |
琵琶湖博物館 | 鳥羽水族館 | 伊勢シーパラダイス |
須磨水族園 | 姫路水族館 | とべ動物園 |
高知アニマルランド | 桂浜水族館 | 熊本市動植物園 |
スッポンは日本各地の広い範囲分布しているため、多くの施設で展示されています。
国内の分布が本州以南のため、東北以北ではほとんど展示されていません。
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。