アメリカドクトカゲはアメリカ南部~メキシコ南部に分布しているドクトカゲの仲間で、噛みついて獲物に神経毒を擦りこんで麻痺させてから捕食します。
以前は日本でもペットとして飼育される事がありましたが、現在は特定生物に指定されています。
目次
アメリカドクトカゲについて!
アメリカドクトカゲは全長50cm程度にまで成長する有隣目ドクトカゲ科ドクトカゲ属のトカゲです。
アメリカドクトカゲはピンクと黒のまだら模様をしており、派手な見た目ですが、生息環境である砂漠では保護色となっているようです。
動きが遅いトカゲとしても知られており、砂漠という厳しい環境に生息している事から新陳代謝は非常に低く、飢えに強いです。
毒は神経毒で、噛みついた際に毒を擦りこんで獲物を麻痺させます。
獲物となる小動物を捕えるための毒で、人間(成人)が噛まれた場合に死に至る場合は稀だとされていいます。
外敵に襲われた場合は口を大きく開け、威嚇を発します。
食性は肉食で小型哺乳類、鳥類、爬虫類などを捕食しています。
和名 | アメリカドクトカゲ |
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学名 | Heloderma suspectum |
英名 | Gila monster |
目 | 有隣目(Squamata) |
科 | ドクトカゲ科(Helodermatidae) |
属 | ドクトカゲ属(Heloderma) |
分布 | アメリカ南部、メキシコ北部 |
生息環境 | 砂漠、荒地、森林 |
アメリカドクトカゲはアメリカのアリゾナ州、カリフォルニア州、ニューメキシコ州、ネバダ州南東部、ユタ州南西部とメキシコのソノラ州に分布しています。
以下の2亜種に分ける説もあります。
・アミメアメリカドクトカゲ(Heloderma suspectum suspectum)
分布地域:アメリカのアリゾナ州南部、ニューメキシコ州南西部とメキシコのソノラ州
・オビアメリカドクトカゲ(Heloderma suspectum cinctum)
分布地域:アメリカのアリゾナ州西部、カリフォルニア州南西部、ネバダ州南東部、ユタ州南西部とメキシコのソノラ州の一部
オビアメリカドクトカゲは明瞭な横縞になり、アミメドクトカゲは横縞に斑紋があり、不明瞭になります。
現地ではペット目的での乱獲、生息環境の開発により生息数は減少しており、野生個体は多くの地域で保護されています。
唾液に含まれる物質が血糖値を上げない効果があり、この仕組みを利用した糖尿病の治療薬も開発されています。
以前は日本でペットとして飼育される事がありましたが、2020年に愛玩目的での飼育は禁止されました。(2020年6月以前からの継続飼育のみ許可を得て可)
飼育下での繁殖が難しい種類とされていますが、2018年に札幌円山動物園で繁殖に成功しました。(4個の卵が産卵され、そのうちの1個が孵化したようです。)
アメリカドクトカゲを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2021年3月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
アメリカドクトカゲを展示しているJAZA加入の施設は4ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
アメリカドクトカゲと円山動物園
円山動物園ではは虫類・両生類館にてアメリカドクトカゲを展示しています。
札幌円山動物園は国内で最初にアメリカドクトカゲの繁殖に成功した施設で、別々のケースで2個体が展示されていました。(上の個体は繁殖資料の近くに展示されていたので繁殖個体?)
は虫類・両生類館ではアメリカドクトカゲの他に珍しいトカゲを展示しており、サイイグアナ、トゲチャクワラ、チュウゴクワニトカゲ、アルマジロトカゲ、マツカサトカゲなどが展示されています。
アメリカドクトカゲと東山動物園
東山動物園では自然動物館にてアメリカドクトカゲを展示しています。
東山動物園では上のように砂底のケースでアメリカドクトカゲを展示しています。
自然動物館ではアメリカドクトカゲの他にグリーンイグアナ、コガネオオトカゲ、サバンナオオトカゲ、ミズオオトカゲ、フトアゴヒゲトカゲなどを展示しています。
アメリカドクトカゲを展示している施設の一覧
アメリカドクトカゲを展示しているJAZA加入の施設は4ヵ所です。
円山動物園 | 上野動物園 | 東山動物園 |
天王寺動物園 |
上野動物園では同じドクトカゲ科のメキシコドクトカゲが飼育されています。
ここまで
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