日本でタコと言えば本種を指すくらいタコの中でも身近な種類で、水産資源としても重要な種類です。
水族館でも多くの施設で展示されており、見ることができる機会が多い種類です。
マダコについて!
マダコは体長60cm程度に成長するタコ目(八腕目)マダコ科マダコ属のタコの仲間です。
タコと言えば赤色のイメージがあるかもしれませんが、生きているマダコは上の写真のように灰褐色や茶褐色など地味な体色をしていますが、数秒で周囲の環境に合わせて体色を変更する事ができます。(食用のタコが赤色なのはエビと同じように熱を入れると赤色に変化するためです。)
無脊椎動物の中では高い知能を持っている種類だと言われています。
体の裏側は上の写真のようになっており、腕には大きな吸盤が並んでいます。
真ん中には口があり、甲殻類を主食としています。 唾液には毒が含まれており、噛みついた際に毒を送り込みます。(この毒は人間にも有効で、噛まれた場合は痛みを発するようです。)
腕はトカゲの尻尾のように自切できるようになっており、外敵に襲われると腕を切り落とす事もあります。 その他にスミを吐いて目くらましをして逃げる事もできます。(天敵としてはウツボが有名です)
和名 | マダコ |
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学名 | Octopus sinensis |
英名 | East Asian Common octopus |
目 | タコ目(Octopoda) |
科 | マダコ科(Octopodidae) |
属 | マダコ属(Octopus) |
分布 | 東アジア |
生息環境 | 岩礁、サンゴ礁 |
マダコは東アジアの沿岸部に広く生息しており、岩礁やサンゴ礁など身を隠す事ができる障害物の多い環境を好みます。
日本では食用として人気の高く、日本国内での漁獲だけでは需要に追い付かないため、主にモロッコやモーリタニアなどから輸入されており、この2国からの輸入で総輸入量の7割を占めています。
英語では「Devil fish」と呼ばれており、ほとんど食用としては利用されていませんでしたが、近年はタコ料理が世界に広がった事によって価格高騰が起きています。
タコ漁は「たこつぼ」というタコが好む形状をした壺を海底に沈め、タコが壺に入った頃を見計らって引き上げて漁獲する方法が主流です。 1日程度放置してから引き上げるようですが、引き上げる際は壺の中に吸盤を使って張り付いているため、引上げ中に逃げられる事は少ないようです。
日本国内では兵庫県の明石沖で取れるマダコが「明石ダコ」とブランド化されており、激しい潮の流れの中で成長した事で弾力が強い事が特長です。
一般的には塩揉みをしてぬめりを取ってから茹でますが、新鮮なものは生でも食べられます。
沿岸部や船から釣りの対象となる事があり、白色の大きなパールのような疑似餌で狙います。(これはタコが白色を餌として認識して飛び掛かるため)
マダコを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2021年10月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
マダコを展示しているJAZA加入の施設は22ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
マダコとしながわ水族館
しながわ水族館ではイカとタコの仲間たちというエリアでマダコを展示していました。
しながわ水族館では上のようにシンプルなレイアウトの水槽でマダコを展示しています。
写真を見たら分かるように壁がガラスになっているため、壁に張り付いている際に吸盤が観察しやすい展示となっています。
私が訪れた際は隣の水槽ではコウイカの赤ちゃんが展示されており、数cmの可愛いコウイカを見ることができました。
マダコと葛西臨海水族園
葛西臨海水族園では東京湾の海エリアにてマダコを展示しています。
葛西臨海水族園では上のように真ん中に大きな岩がレイアウトされた水槽で複数のマダコが展示されており、岩の他にマダコが入るためのビンも沈めてあります。(ビンに入っている姿を見たいのですが、タイミングが悪いのか入っている姿は見た事がないです…)
画像からは分かりにくいですが、タコだけを展示している水槽としては大型の水槽で、綺麗な水槽なので観察しやすい展示となっています。
おまけ:大洗水族館とアカシマダコ
番外編ではありますが、大洗水族館で展示されていたアカシマダコについても紹介します。
アカシマダコは通称で、まだ学名のつけられていない種類です。(マダコと同じマダコ属であることは分かっています。)
深海に生息している種類で、上の写真からは分かりにくいですが、赤っぽい体色と縞模様がある事が名前の由来となっているようです。
珍しい種類で、綺麗な赤色をしているので、機会があれば是非観察してみてください。(現在の展示有無は不明)
マダコを展示している施設の一覧
JAZA加入の施設のうち、マダコを展示している施設は以下の施設です。
千歳水族館 | 加茂水族館 | 福島海洋科学館 |
鴨川シーワールド | 葛西臨海水族園 | しながわ水族館 |
八景島シーパラダイス | 新潟市水族館 | 上越水族博物館 |
のとじま水族館 | 碧南水族館 | のとじま水族館 |
碧南水族館 | 名古屋港水族館 | 鳥羽水族館 |
伊勢シーパラダイス | 大阪海遊館 | NIFREL |
須磨水族園 | 玉野海洋博物館 | 宮島水族館 |
海の中道水族館 |
マダコはタコの中でも展示している施設が多い種類で、特に関東周辺の施設で多く展示されています。
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。