スギは外洋で生息する季節回遊を行う魚で、成長が早く味も良いことから外国・国内で養殖が行われている魚です。
以前は「クロカンパチ」等の名称で販売されることもありました。(寿司屋でカンパチとして提供されることもあったようです。)
スギについて!
スギは体長1.5m以上に成長するスズキ目スギ科スギ属の魚です。
本種のみでスギ科スギ属を構成しています。
スギは幼魚と成魚で体型や模様が異なり、上の個体は成魚になります。
大きく張り出した胸鰭を持ち、体高が高いがっちりとした見た目をしています。
少し見にくいですが、上の個体はまだ小さく体に縦帯がはっきりと残っています。(50cmくらい)
この縦帯は成長するにつれて薄くなっていきます。(成長すると上の写真のように体型も大きく変化していきます)
幼魚はコバンザメとも似ており、コバンザメのように他の大型魚についていく習性があるようです。(幼魚は黒色の体色に白色の縦帯が2本入っています。)
食性は肉食で魚類や甲殻類、軟体動物を捕食しています。
和名 | スギ |
---|---|
学名 | Rachycentron canadum |
英名 | Cobia |
目 | スズキ目(Perciformes) |
科 | スギ科(Rachycentridae) |
属 | スギ属(Rachycentron) |
分布 |
世界中の温帯・亜熱帯域 |
生息環境 | 外洋 |
スギは世界中の温帯・亜熱帯域に生息しています。
国内では南方に多いですが、北海道で漁獲されることもあります。
基本は沖合で単独行動をしていますが、繁殖期になると群れを作ります。
オスは2年、メスは3年で性的に成熟し、シーズン中に30回以上も産卵することができるようです。
定置網漁等で漁獲され、食用として利用されています。
成長が早く味も良いことから、外国でも積極的に養殖が行われている魚で、日本でも沖縄で養殖が行われています。
アジア等で養殖された個体が日本にも輸入されており、養殖の生産量の8割は台湾・中国が占めていると言われています。
以前は「クロカンパチ」などという名称で流通することがありましたが、水産庁のガイドラインによりスギに「クロカンパチ」という誤認させるような名称を使用しないことが定められています。
スギを展示している施設!
情報は記載当時のJAZAの情報です。(2020年9月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
スギを展示しているJAZA加入の施設は9ヵ所です。
展示している施設の一覧は記事の一番下に記載しています。
スギと新江ノ島水族館
新江ノ島水族館では相模湾ゾーンにてスギを展示しています。
館内最大の水槽である相模湾大水槽にてスギを展示しています。
新江ノ島水族館はこの水槽を様々な角度から見ることができるように作られていますが、スギを見ることができるのは正面部分の底付近が多いです。
水槽内には相模湾で見られる90種類以上の魚が展示されており、大型の魚が近づくたびに生き物のように形の変わるマイワシの群れが一番の見どころだと思います。
派手な魚はいませんが非常に綺麗な水槽となっています。
スギと志摩マリンランド
志摩マリンランドでは回遊水槽にてスギを展示しています。
スギは体型が太いですが、外洋に生息し季節回遊を行う遊泳力の高い魚です。
志摩マリンランドでは他の回遊魚達と一緒にドーナツ型の水槽をグルグルと泳ぎ回る姿を見ることができます。
この水槽ではスギの他にカスミアジ、カンパチ、ツバメウオ、マダイ、バラハタ、ゴマフエダイ、ブリ、ギンガメアジなど約50種類の魚が展示されている水槽です。
ただ水槽内を回っているだけのように見えますが、魚によって泳ぐ水深が異なったり速度も異なるので、ゆっくり観察してみても面白いです。(岩場に集まってじっとしている魚もいます!)
スギと伊勢シーパラダイス
伊勢シーパラダイスでは海底ごろりんホールにてスギを展示しています。
この水槽はソファーに寝転がりながら、回遊魚が泳ぐ水槽を見ることができるホールとなっています。
スギの他にアオウミガメとギンガメアジ、ロウニンアジが展示されていました。(ほとんどがギンガメアジです。)
展示種類が少ないので同じ回遊水槽だと近くにある志摩マリンランドの方が見ごたえはありました。
スギを展示している施設の一覧
スギを展示しているJAZA加入の施設は9ヵ所です。
加茂水族館 | 新潟市水族館 | 南知多ビーチランド |
京都水族館 | 鳥羽水族館 | 志摩マリンランド |
しまね海洋館 | 桂浜水族館 | 美ら海水族館 |
JAZA加入の施設ではありませんが、新江ノ島水族館でも展示されていました。(2020年11月時点)
私が訪れた水族館では小型の個体は見たことが無く、大型の個体ばかり展示されていました。(成長が早いのが理由かもしれません。)
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。