ヤマノカミは国内では九州の有明海とその流入河川にのみ生息しています。
地域によってはミノカサゴの仲間のことをヤマノカミと呼ぶ地域もあります。
ヤマノカミについて!
ヤマノカミは最大15cm程度にまで成長するスズキ目カジカ科ヤマノカミ属の魚です。
ヤマノカミ属は本種のみで構成されています。
ヤマノカミは頭部が大きく、下半身になるにつれて細くなっていきます。
体色は暗色のものが多いですが個体差があり、体に斑点や鞍状の模様があります。
繁殖期には鰓蓋や尻鰭一部が赤く変化します。
上の写真のように体色は個体差が大きく、正面から見るとおっさんのように見えます。
食性は肉食で小型の甲殻類や子魚を捕食しています。
夜行性で夜になると活動を開始します。
和名 | ヤマノカミ |
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学名 | Trachidermus fasciatus |
英名 | Roughskin Sculpin |
目 | スズキ目(Perciformes) |
科 | カジカ科(Cottidae) |
属 | ヤマノカミ属(Trachidermus) |
分布 |
東アジア |
生息環境 | 河川 |
ヤマノカミは 有明海、中国東岸~朝鮮半島の一部に生息しています。
有明海では奥部沿岸に多く生息しており、湾の口の部分はほとんど見られません。
独特な生態をしており、夏場は淡水域にいますが冬になると淡水域から海まで移動します。
1月~3月くらいに二枚貝の死骸の中に卵を産み、オスが卵を守ります。
その後、孵化した稚魚は夏前には川への遡上を開始し、その年の冬には海に下っていきます。(自然界での寿命は1年間と言われています。)
国内ではヤマノカミを食用としては利用していませんが、中国国内では高級食材として扱われており生息数が減っています。
ヤマノカミの産卵スタイル的に河川の遡上が阻害されたことにより生息数が減少しており、環境省のレッドリストでは絶滅危惧IB類に指定されています。
ヤマノカミを展示している水族館!
情報は記載当時のJAZAや水槽の情報です。(2020年5月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
ヤマノカミを展示しているJAZA加入の施設は海の中道水族館のみです。
JAZA加入の施設以外では「干拓の里水族館」や「むつごろう水族館」などでも展示されています。
ヤマノカミとマリンワールド海の中道
マリンワールド海の中道では九州の近海エリアにてヤマノカミを展示しています。
海の中道水族館では複数のヤマノカミを展示しています。
イカツイ顔をしており、個体差による体色の変化を見ることができます。
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