マゼランペンギンは日本の気候でも野外飼育ができるため、多くの水族館・動物園で展示されており、フンボルトペンギン、ケープペンギンの次に多くの施設で展示されているペンギンです。
マゼランペンギンについて!
マゼランペンギンは体長70cm程度、体重約4kgまで成長する中型のペンギンです。
ケープペンギンは吻の根本は黒色、胸元の黒い線が2本入っています。
腹部には小さな黒点が少しだけあり、数や大きさは個体差があります。
マゼランペンギンは中学校の歴史の教科書にも出てくる「マゼラン」という航海者が世界一周時に見つけたペンギンなので、マゼランペンギンという名前が付けられたと言われています。
上の写真のようにペンギンの羽は水を良く弾くようになっています。
これはお尻の部分にある尾脂線から分泌される脂をクチバシですくい全身に塗ります。
これは、自分で行ったりペアとお互いに羽繕いすることで全身で塗っていきます。
尾脂線の脂を塗ることにより、水を弾き水中で泳ぐことによる体温の低下を防ぎ、地上に上がった後にすぐに乾くようになっています。
マゼランペンギンはペンギンの中でもペアの絆が強く、前年にペアとなった個体同士でペアを継続することが多いようです。
マゼランペンギンを観察していると、ペアで仲良く一緒に行動する姿を見ることができます。
このペアの絆が強い事を利用し「すみだ水族館」、「京都水族館」のオリックスグループが運営する水族館ではペンギンの個体同士の関係相関図が作られ人気があります。
「おしどり夫婦」という言葉があり、いつも一緒で仲が良い夫婦の事を言います。
しかし、実際のオシドリが仲が良いのは巣を作り、メスが卵を産むまででメスが卵を産むと次のメスを探して巣を出ていきます。(オシドリはペアでの繁殖ではなく、1匹のオスが複数のメスと交尾をして繁殖するスタイルのため)
和名 | マゼランペンギン |
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学名 | Spheniscus magellanicus |
英名 | Magellanic penguin |
目 | ペンギン目(Sphenisciformes) |
科 | ペンギン科(Spheniscidae) |
属 | ケープペンギン属(Spheniscus) |
分布 |
南アメリカ大陸南部 |
生息環境 |
南アメリカ大陸南部の沿岸に生息しており、繁殖地も生息地とほぼ同じです。
産卵のための巣は森の中や草原の中に作り、トンネルを掘ることもあります。 (海鳥の糞が積もった非常に柔らかい土壌が巣作りには最適なようです。)
9月から繁殖活動を始め、10月には卵を2つ産卵します。
産卵した卵は約40日で孵化し、孵化から2ヵ月~3ヵ月で巣立ちします。
繁殖期以外に陸地に上がる事はほとんどなく、外洋で生活します。
食性は肉食性で魚類の他に甲殻類などの無脊椎動物を食べているようです。
マゼランペンギンはペンギン目ペンギン科ケープペンギン属に属しています。
ケープペンギン属には
・ケープペンギン(Spheniscus demersus)
・カラパゴスペンギン(Spheniscus mendiculus)
・フンボルトペンギン(Spheniscus humboldti)
にマゼランペンギンを合わせた4種がケープペンギン属として確認されている種類になります。
カラパゴスペンギン以外の3種は国内でも展示施設が多いTOP3種です。(カラパゴスペンギンは国内では展示されておらず、飼育例は浜松市動物園に入来し、後に上野動物園に移動した1羽のみです。)
ケープペンギン属の見分け方は下の記事で紹介していきます。
南アメリカ大陸には同じケープペンギン属のフンボルトペンギンが生息しており、チリのマゼランペンギンとフンボルトペンギンの分布の端同士で2種が出会うことがあるようです。
フンボルトペンギンとマゼランペンギンは自然下でも交雑種が確認されており、飼育下でも容易に交雑することから同一種ではないのかという説もあります。
フンボルトペンギンは嘴の根本がピンク色になるのでマゼランペンギンとは簡単に見分けることができます。
マゼランペンギン を展示している水族館!
情報は記載当時のJAZAや水槽の情報です。(2020年5月更新)
実際に行かれる際には現在も展示しているかどうか確認することをオススメします。(JAZAの情報は古いことも多いので注意してください)
マゼランペンギンを展示しているJAZA加入の施設は16ヵ所となっています。
宇都宮動物園 | 市原ぞうの国 | しながわ水族館 |
すみだ水族館 | 八景島シーパラダイス | 遊亀公園動物園 |
いしかわ動物園 | 上越水族博物館 | 寺泊水族博物館 |
のとじま水族館 | 姫路動物園 | 宮津水族館 |
須磨水族園 | 池田動物園 | ペンギン水族館 |
大分マリーンパレス |
国内で見ることができるペンギンは14種類ですが、その中で3番目に多くの施設で展示されている種類です。(1番はフンボルトペンギン、2番はケープペンギン)
1番多く飼育されているフンボルトペンギンの輸出が禁止されてからは、同じく温帯の野外で飼育できるマゼランペンギンを展示する施設が増えたようです。
展示施設数が多いのは温暖な気候で生活できるペンギンです。(オウサマペンギンやジェンツーペンギンなどと比べて特別な施設が必要ないため)
マゼランペンギンと すみだ水族館
すみだ水族館では施設の中心のプールにてマゼランペンギンを展示しています。
すみだ水族館のペンギン水槽は館内のメインの展示物になっており、巨大なプールにてマゼランペンギンが約50羽展示されています。
このペンギンが展示されているプールは屋内のプール型の水槽としては国内でも最大級です。
室内で室温がコントロールされているため、どの季節に訪れても快適な環境でマゼランペンギンを観察することができます。
上の写真はマゼランペンギンが上を向いて大きな声で鳴いている姿です。
これはマゼランペンギンの求愛行動で、オスがメスの気を引くための行動のようです。(私が訪れた際は鳴き声が館内に大きく響いていました。)
明るい時間帯はプールの中で活発に泳ぎ周り、動きが激しいのでペアを把握するのは難しいかもしれませんが、18時以降になり照明が暗くなると岩場に上がりペアで一緒に休む姿を観察することができます。
昼間でも数は少ないですが岩場でペアで休む姿を観察できます!
マゼランペンギンと しながわ水族館
しながわ水族館ではペンギン水槽にてマゼランペンギンを展示しています。
ペンギンの飼育数も多くなくスペースは小さめですが、人が少ないのでとても観察しやすいです。
ペンギンまでの距離が近いので肉眼でも観察しやすいのがメリットになります。(距離が近いのでペンギンの匂いが強いですが)
ガラス面が綺麗であまり広くないこともあり、ガラス越しの近くで見ることができます。
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。