千歳水族館は新千歳空港から約30分程度で訪れる事ができる位置にある、アクセスの良い水族館で、旅行中にも訪れやすいです。
正式名称は「サケのふるさと 千歳水族館」で、サケの展示が充実した水族館です。
サケの他にも日本・世界で見られる淡水魚をメインに展示しており、海水魚はほとんど展示されていません。
目次
千歳水族館について
千歳水族館は新千歳空港から約30分と立地の良い場所にある水族館で、北海道の旅行訪れた際にも訪れやすい水族館となっています。
千歳水族館の隣にはサーモンパーク千歳という道の駅があり、食事を行うこともできます。
千歳水族館との合同イベントが開催されている事もあります。
・入館料について
大人 | 800円 |
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高校生 | 500円 |
小・中学生 | 300円 |
と非常にリーズナブルな価格設定となっています。(10名以上の団体割引もあります。)
通常の営業時間は9:00~17:00ですが、営業期間やメンテナンス休館などはHPを確認してください。
千歳水族館の特徴
千歳水族館は1994年開館で、2015年にはリニューアルオープンされているため、新しく綺麗な水槽で魚を展示しています。
日本最大級の淡水魚水槽を有する水族館で、魚類に関しては展示種類のほとんどが淡水魚となっています。
また、日本動物園水族館協会(JAZA)加入の施設の中では最もサケ類の展示に力を入れている施設で、多くのサケの仲間を展示しています。
サケの仲間の他には、北海道で見られる生物(魚類、両生類等)や海外の淡水魚も展示されています。
実際の千歳川の中を窓越しに見ることができる水中観察ゾーン他の水族館では見られないような新しい試みで、サケの遡上シーズンには千歳川を遡上する親サケ達を見ることができます。
千歳水族館のエリア紹介
実際に千歳水族館の展示について、展示エリアごとに紹介していきます。
サーモンゾーン
サーモンゾーンは千歳水族館の最初の展示エリアで、大型の水槽が3つ、円形型の水槽が2つ設置されています。
秋期になると遡上してくる親サケが期間限定で展示されているため、親サケの展示が行われている時期に訪れるのがオススメです。
最も大型な水槽は水量300tもあり、淡水魚を展示している水槽としては日本最大級のものです。
この水槽では大型魚を多く展示しており、サケの仲間では日本最大の淡水魚として知られるイトウや、キングサーモンとして知られるマスノスケ、ブラウントラウト、サクラマス、ニジマスなどが展示されています。
写真を見ても分かるようにサケの仲間よりも目立つ大型のチョウザメが展示されており、展示されている種類はシロチョウザメ、ベステル(オオチョウザメ×コチョウザメ)、ロシアチョウザメ、バイカルチョウザメ、アムールチョウザメです。(JAZA加入の施設の中ではチョウザメの展示種類の多い施設です。)
メインの大型水槽の隣りにある2つの水槽も大型で、親サケの遡上シーズになると遡上してきた個体を見ることができます。
シロザケ(千歳川)とカラフトマス(オホーツク海)が展示されているようです。
カラフトマスを展示している施設はほとんどなく、千歳水族館の他に北の大地水族館(北海道北見市)でも秋期の期間限定で展示される事があります。
その隣では小さなサケ達が展示されており、細かな水泡の中を泳いでいます。
私が訪れた際に展示されているのはサケ(シロザケ)、サクラマス(ヤマメ)でした。
これまでに紹介した3つの水槽よりは小型の円柱型の水槽が2つあるので紹介します。
こちらは秋期の期間限定で美々川に遡上したベニザケを展示しており、綺麗な婚姻色を発色した個体を見る事ができます。(同じ水槽内でヒメマスを展示しています。)
展示期間が長くなるほど体色が落ちていくようなので、展示されはじめの頃が発色が良いようです。
もう1つの水槽ではワカサギが展示されています。
良く見ると変わった見た目をしているので、ゆっくり観察してみてください。
支笏湖ゾーン
支笏湖は「しこつこ」と読み、千歳市にある大型の湖で、不凍湖としては日本最北にある湖です。(面積も大きく、日本で8番目に大きい湖です。)
透明度の高い水をしていることで有名で、環境庁の湖沼水質調査では何度も日本トップに認定されています。
支笏湖自体の説明が長くなりましたが、千歳水族館の支笏湖エリアには大きな円柱型の水槽が1つ設置されているだけです。
上の写真のように半径の大きな円柱の水槽で、かなり強めに照明が当てられています。
展示されているのはヒメマス(ベニザケ)、ニジマス、アメマス、フナなどで、ヒメマスとアメマスがメインの展示となっています。
水深も深く、水面近くに群れ作っているヒメマスの体が照明に照らされてギラギラと反射して綺麗です。
支笏湖に生息しているヒメマスは有名で、地元では「チップ」という名称で呼ばれているようです。
ヒメマスとはベニザケの陸封型の事を指し、1894年に阿寒湖から支笏湖へと移植されています。 ベニザケは千歳市の魚にも選ばれています。
大きなアメマスが複数展示されており、底部付近で群れを作って泳いでいます。
定期的に水槽内を遊泳している姿が見られました。(ニジマスも展示されているようですが、確認できませんでした。)
左側はイトヨ、右側はヌマチチブ
細かいところにも目を向けると、イトヨやヌマチチブ、エゾウグイ、ギンブナが展示されています。(ギンブナは開館当時から飼育されている個体のようです。)
展示されている生き物だけではなく、水槽全体で作品となっている水槽なので訪れた際は是非ゆっくり観察してみてください。(座ってみられるように椅子も設置されています。)
体験ゾーン~千歳川ロード
体験ゾーンは他の水族館で言うとタッチプールが設置してあるエリアです。
上の写真ようなタッチプールが設置されており、中にはチョウザメ、エゾウグイが飼育されています。
この他にもドクターフィッシュが入っているタッチプールもありました。
タッチプールの隣にはカイツブリを飼育している半ドーナツ型の水槽があり、近くでカイツブリを見ることができます。
体験ゾーンを抜けるとカイツブリと水辺の生き物エリアになり、先ほども展示されていたカイツブリが水槽で展示されています。
こちらの水槽は水深が深く、潜水するカイツブリを見ることができます。(水槽内にはウグイが展示されていました。)
カイツブリ水槽の対面側では北海道で見られる生物が展示されており、ニホンスッポン、エゾサンショウウオ、キタサンショウウオ、アマガエル、ニホンザリガニ、モクズガニなどが展示されていました。
カイツブリ水槽と水辺の生き物エリアの次は千歳川ロードというエリアに変わります。
名前の通り千歳川で見られる魚を展示しているエリアです。
透き通った綺麗な水槽が並んでおり、水槽ごとに上流〜下流に分けられて生き物が展示されています。
私のオススメは上流を再現したサクラマス、アメマス、ハナカジカを展示した水槽で、ガラス面・レイアウト・水・照明が綺麗で、展示されている魚が綺麗に見えます。
左は中流水槽の上側、右は中流水槽の下側
中流の水槽も2段階に分かれており、上側の水槽にはウグイ、エゾウグイが展示されており、下側の水槽にはフクドジョウ、ウキゴリ、ブラウントラウト、イトヨなどが展示されています。
下流水槽ではギンブナ、タイリクバラタナゴ、モツゴ、ソウギョ、ヤチウグイなどが展示されています。
ヤチウグイは日本では北海道でのみ見られる魚で、本州ではサンシャイン水族館でのみ飼育されています。
最後にはニシキゴイが展示されている水槽があり、様々な模様をしたニシキゴイを見ることができます。
この水槽にはえさやり水槽という名称がついているようで、平日の人数限定でコイやナマズへ餌を与えることができるようです!
ニシキゴイに関しての掲示も少しありました。
世界の淡水魚ゾーン
これまでのエリアでは日本で見られるような種類が多く展示されていましたが、このエリアでは世界中の淡水魚を集めて展示しています。
ネオンテトラなどの小型の熱帯魚からアリゲーターガーのような大型種まで幅広く展示されていました。
これまでの水槽に比べるとレイアウトに凝ったような水槽は少ないですが、他の水族館ではほとんど飼育されないような種類も多く展示されています。
その中でも、上のように変わった形状の水槽もあります。
円柱型の水槽で、外側にだけ水があるため、魚は外周をぐるぐると回ります。
水槽上部はガラス等は無く、直接見ることができるようになっていますが、中にいるテッポウウオが射撃してくることがあるので注意してください。
ゆっくり覗き込んでいる人の多くは水をかけられていました…(覗き込んでいるとテッポウウオが集まってきます。)
この他にも愛嬌タップリなミドリフグや陸上を移動するトビハゼなどユニークな魚が展示されています。
ポルカドットスティングレイ(ロックバンドではありません)が展示されています。
南米に生息している黒地に白色の斑点と目立つ見た目をしている淡水エイで、高価なエイとして知られています。
可愛い見た目をしているので、訪れた際は是非観察してみてください。(2020年9月に訪れた際には2匹が展示されていました。)
上の水槽がエリア内で大型魚が展示されている水槽で、タイガーシャベルノーズ、レッドテールキャット、アリゲーターガー、メガロドラスを展示しています。
楕円形の変わった形の水槽で展示されていますが、非常に近くで大型魚を見ることができる水槽となっています。
紹介した水槽以外にも多くの水槽が設置されており、様々な種類の魚を見ることができます。他の水族館では見られないマイナーな種類も展示されています。
水中観察ゾーン
水中観察ゾーンは千歳水族館の隣を流れている千歳川の中を窓越しに見ることができる展示エリアです。
上の写真のように窓が並んでおり、ここから千歳川の中の様子を見ることができます。
親サケの遡上シーズンには遡上するサケ達を見る事ができる事で有名です。
親サケは常に見られるわけではありませんが、タイミングが良ければ、上の画像のように遡上してくるシーンを見る事ができます。
ベンチも用意されているため、遡上してくる姿を見たい場合は、椅子に座ってゆっくり待つこともできます。
サケ以外にもウグイやハゼなども見ることができます。
インディアン水車
千歳水族館は千歳川に隣接する位置に建設されているのは先ほど、ご紹介しました。
千歳川では毎年、サケの稚魚を放流することによってサケの母川回帰の習性を使い、大きくなったサケが千歳川へと遡上するようにしています。(3〜5月の放流のシーズンには千歳水族館でも放流の体験を行っています。)
千歳水族館の入り口近くにはインディアン水車が設置されています。(1996年まで実際に稼働していた水車のようです。)
インディアン水車は遡上してきたサケを捕獲するための水車で、稼働しているシーズンは年によって変わりますが、8月中旬〜12月中旬頃までとなっています。
インディアン水車が稼働している時にはインディアン水車によって水揚げされるサケを見ることができ、観光名所ともなっています。
千歳水族館の側にある橋からよく見えるので、インディアン水車が稼働している時期に訪れる方はぜひ見に行ってください!
橋の上にまでサケが跳ねる音も聞こえてきて迫力があります。
水車から水揚げされた親サケは人力でオスとメスに判別されて別々の生け簀に入れられます。(選別の様子も見ることができます。)
日本最大級の淡水魚水族館、千歳水族館について紹介しました。
空港からのアクセスも良く、本州から旅行で訪れた方にも非常にオススメな施設となっています。(サケを見た事がない方は初めて見るサケに感動する事間違いなしです。)
ここまで
最後までお読みいただきありがとうございます。